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精神障害による職業不能年金受給者が増加

 精神障害が原因で職業不能年金を受給する人が増えている。連邦職員保険庁によると、2002年の新規職業不能年金受給者の内、36%が精神病を原因としている。10年前は21%だった。

そこで、リスク要因としての精神障害が職業不能保険者の重要課題になっており、保険者と被保険者の間で職業不能年金をめぐる争いが多くなった。保険者は年金を支給する前に、うつ病などの精神障害を特に慎重に検査している。被保険者も保険契約を結ぶ際に、健康に関する質問に慎重に回答しなければならない。但し、精神障害は客観的に検査するのが極めて難しい。

 アリアンツ生命保険会社によると、以前は整形外科の病気が職業不能の原因であることが多かったが、今は女性の場合、精神障害が主な理由になっているという。全体的には、女性の方が男性よりも職業不能になるケースが少ない。男性では、特にホワイトカラーに精神病が増えている。アリアンツの医者によると、主な原因は職場でのストレス。今後の傾向として、伝統的な整形外科の病気が減って、精神病と生活習慣病(肥満症、糖尿病など)が増えると予測している。

 この傾向を鑑み、精神病を含まない契約(保険料が安くなる)も提供する保険会社が出てきた。しかし、保険会社は精神病による職業不能年金受給の割合を約15%と見ており、連邦職員保険庁の統計よりも低い。それは、保険会社は契約を結ぶ際に、契約者の健康状態や兆候、過去の病気などの情報を詳しく要求していることと、精神病が特にホワイトカラーに多いこと(連邦職員保険庁はホワイトカラーの年金保険担当機関)に起因しているという。

2003年10月27日)

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