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通販薬局のドイツ市場参入

   法定疾病保険近代化法が200411日に発効すると、薬の通販が可能になり、処方箋のいらない医薬品の価格が自由化される。薬局と医薬品市場への影響は多大だ。業界筋では、ドイツにある 21500の薬局のうち、かなりの薬局が市場から消えていくのではないかと懸念している。

 それに対して、通販薬局は大きなビジネスを期待しており、大々的に顧客獲得を始めている。オランダのインターネット薬局ドック・モリス(DocMorris)は、目下、法定疾病保険金庫と独占提携について交渉中である。ドック・モリスと提携する計画の GEK 任意疾病保険金庫のヘーベル理事長は、提携により、安い医薬品を確保できると語った。オランダ企業であるドック・モリスは、処方箋義務のある医薬品におけるドイツの販売価格拘束を適用されない。そこで、20041月から法律で規定される被保険者の自己負担額(医薬品当たり 510 ユーロ)の半額で薬を提供するという。オランダでは、このような自己負担がない。 GEK は、ドック・モリスとの提携により、保険料率を 13,6%に、最低 0,3%ポイントほど引き下げることができる見通しである。他の疾病保険金庫も GEK に続くものと予想される。

 PharmakontorEuropa Apotheek などの競合会社もドイツ市場への進出を図っており、価格競争が激しくなることが予想される。ドック・モリスは、糖尿病患者のように、定期的に医薬品を購入する顧客部門を強化するという。このようなインターネット通販薬局の進出に対抗するために、薬局は購買共同体を形成して、医薬品を安く仕入れすることを検討している。

 一方、保健改革により、薬局は最高3つの支店を持つことが可能になる。専門家は、次の段階では、薬局の他主占有禁止も廃止されるものと予想しており、廃止されれば、Phoenix Celesio などの医薬品卸売業者が独自のチェーン店を通して最終消費者に医薬品を販売することが可能になる。すでに、米企業のウォル・マートが医薬品事業への参入を計画しているといわれる。

2003年11月24日)

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