ドイツの主要ニュース

高速道路料金自動徴収システムのスタート遅れる

 トラックのための高速道路料金自動徴収システムが8月にスタートするはずであったが、技術上のトラブルから延期されており、政府が予算に見込んでいた月々約16300万ユーロの収入が滞っている。期限を守れなかった運用会社Toll Collect(ドイツテレコムとダイムラー・クライスラーを中心とするコンソーシアム)に損害賠償を求める声が大きくなっているが、運用会社はこれを拒否している。

1年前に連邦交通相と運用会社が締結した契約によると、システム運用開始後最初の3ヶ月間(121日まで)は、運用会社は損害賠償責任から免除される。今年730日に両者が署名した合意書では、運用会社は年末まで損害賠償責任から免除されることになった。しかし、連邦交通省は、8月末の運用開始が延期されたので、この合意事項は無効になったという見解である。

システムを構築・運用するコンソーシアムは12年間に73億ユーロ(年間約6億ユーロ)を取得し、政府は年間28億ユーロの収入を見込んでいる。高速道路料金は平均で1km当たり12,4セント。

 919日に予定されていたテスト運用が延期されたため、112日の正式スタートも危ぶまれてきた。外国への自動料金徴収システムの輸出を目指している運用会社にとってはイメージが、シュトルペ交通相にとっては大臣職がかかっている。また、アイヒェル財務相は、見込んでいた収入が入ってこないため、新規借入を余儀なくされている。この混乱の中、野党はシュトルペ交通相の辞任を要求している。

2003923日)

戻る