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2003年度労働市場、1997年以来最悪

 連邦雇用エージェンシー(旧連邦労働庁)が1月8日(木)に発表したところによると、ドイツの12月の失業者数は11月よりも132000人増加して4316500人になった。これは1997年以来最高の失業者数である。対前年12月比では約91400人多い。失業率は10,0%から10,4%に上昇した。季節調整済み失業者数は11月よりも21000人ほど減少した。

 旧西独の失業者数は対前月比85900人増の2751700人(失業率8,4%)、旧東独は46100人増の1564800人(失業率17,9%)。旧東独の失業者数は統一以来初めて、前年同月よりも約13000人減少した(0,8%減)が、旧西独では104500人ほど増加した(3,9%増)。最も低い失業率はバーデン・ヴュルテンベルク州の6,2%だった。

 ゲルスター長官は、「2003年の労働市場は損失の多い年だった」と語った。2003年の失業者数は平均で約4376600人(平均失業率10,5%)と、2002年よりも315700人多かった(8%増)。ゲルスター長官は、2004年は労働市場改革の効果が現れてくるが、2003年度水準で停滞し、ようやく2005年に本格的な改善が見られるだろうと予測している。

 クレメント連邦経済相は、季節調整済み失業者数の減少はまだ労働市場の転機とはいえないが、底を突いた証拠だと語った。労働市場改革の進展と経済成長により、今年下半期には失業者が顕著に減少すると予想している。それに対して、キリスト教民主同盟CDUのマイヤー幹事長は、2003年の労働市場は期待が裏切られた年だったと述べ、労働市場のフレキシブル化を要求した。連邦雇用エージェンシーの統計上のごまかしがなかったら、状況はもっとひどかったと見ている。

 連邦雇用エージェンシーによると、労働市場改革により、職業斡旋が強化されると同時に、失業者自らのイニシアティブが強く要求されるようになった。12月だけでも296300人の失業者が就職先が見つからないままに自ら失業者登録を断念したり、職場探しに積極的でなかったことを理由に失業者統計から削除された。200212月よりも43100人多い。2003年に失業者統計から削除された失業者は全部で約3772000人(対前年比42,1%増)。これには早期退職規定による失業者も含まれる。ゲルスター長官は、失業手当支給期間の削減(最高12ヶ月間)が労働市場に推進力をもたらすと見ている。

 一方、連邦統計局によると、2003年の就業者数は2002年よりも392000人減少して(1%減)、3830万人であった。2003年は1993年以来最大の人員削減の年であったという。2003年の被用者数は1,3%減の3410万人であったが、起業家(私-株式会社)への補助金支給により、自営業者数は1,3%増の約420万人だった。2003年の失業者数が通常の不況時よりも急増しなかったのは、多くの失業者が失業者統計から削除されたためであるという。

2004112日)

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