オバサンの独り言

 テレビを見ても、ラジオを聴いても、新聞を読んでも、毎日報道されているのがトル・コレクト。トル・コレクトとシュトルペ大臣を揶揄するジョークが大流行だ。国中が呆れ返っている。このドイツの醜態に、「ざまあみろ」と笑っている国も多いことだろう。

 ドイツを代表する最大手企業2社にいいようにあしらわれていたシュトルペ大臣がやっと解約宣言をしたかと思ったら、まさか解約なんてしないだろうと高を括っていたその大手企業の社長が慌てて、見解の相違は10日以内に解消できると一言。すると、トル・コレクトも技術上の問題は解決されたので予定通り運用できると、システム構築を続行している。

 一体、どうなってるの? 国民は高い税金を払って、この恥知らずな「無駄遣いドラマ」をいつまで観劇しなければならないのか。ようやく幕を下ろしたかと思ったら、とんでもない。ドラマはまだまだ続きそうだ。

 ある経済ジャーナリストによると、こんな税金の無駄遣いは日常茶飯事なのだそうだ。トル・コレクトのように公になっていないだけだとか。早速、疾病保険金庫は、20061月に計画していた新しい電子被保険者カードの導入が技術上の問題で遅れるかもしれないと、先手を打った。トル・コレクトの教訓か。連邦国防省のヘラクレス・プロジェクトでも連邦と企業の契約交渉が難航しており、挫折寸前だというから、税金の無駄遣いは後を絶たない。

 ドイツの技術力の低下が論議されているが、企業のモラルの低下も目に余るものがある。勤勉で、堅実で、信頼できると評判だったドイツ企業がどうしたことか。自社の技術力、首脳部の判断力を正しく評価できない社長が部下に責任を押し付けて、自分の任期更新契約を早々と締結している。そんな企業に弄ばされている政府も不甲斐ない。「無駄遣いドラマ」は「連続ドラマ」になってしまった。 

 ちなみに、英語の“toll”は「使用料」のことだけれど、ドイツ語の“toll”は「すばらしい! すごい!」という意味。昔は、「気の狂った、気違いじみた」という意味だった。シュピーゲル誌がズバリ、“TOLLHAUS TOLL COLLECT” (Tollhausは昔の精神病院のこと)と書いていたけれど、的を射た表題ではないか。 Toll !

2004223日)

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