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ドイツ連邦銀行の利益が大幅縮小

   低金利とドル安を要因として、ドイツ連邦銀行の2003年度利益が1987年以来最低の24800万ユーロに減少した。2002年の利益は53億ユーロ、2001年は113億ユーロだった。1989年以来初めて、35億ユーロの大台も下回ったことになる。1989年以来、連邦予算規定に基づいて、ドイツ連邦銀行の利益のうち35億ユーロは連邦予算に納付され、残りは債務償還に充てられていた。

 連邦財務省は、ドイツ連邦銀行の利益急減は連邦予算上の問題にはならないと強調した。補正予算の必要性はないという。ドイツ連邦銀行から連邦への納付が約33億ユーロ減少したが、この収入減少はさらなる借入なしに解決できると楽観的な見方を示した。

 それに対して、野党 CDU/CSU のアウスターマン予算担当スポークスマンは、連邦銀行の利益縮小により、連邦予算におけるカバーされていないリスクが約150億ユーロに増加すると警告した。アイヒェル財務相は中期財政計画で連邦銀行の利益を年間35億ユーロと見込んでいるので、今後の連邦予算に大きな穴が開くことを懸念している。2004年の純借入額は440億ユーロに上昇すると予想しており、再びマーストリヒト条約の「安定協定」(上限3%)を達成できないと見ている。

 ドイツ連邦銀行のヴェルテケ総裁は、2005年の国家赤字が国内総生産の3%以下になるのは確実ではないと語った。利益縮小の原因は低金利とドル安で、純利子収入は0,9%減の33億ユーロであった。ヴェルテケ総裁は、内需は弱いが、力強い外需に支えられており、ドイツ経済はモデラートな回復期にあるという見方を示した。厳しい雇用市場が国内消費を圧迫しているため、回復プロセスは継続するが、テンポが鈍化しているという。今年の経済成長率は1,5%と予測している。

2004329日)

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