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バーデン・ヴュルテンベルク州、教師のスカーフ着用を禁止

   バーデン・ヴュルテンベルク州議会は41日(木)、ドイツ最初の州として、公立学校の教師に対してイスラム教のスカーフの着用を禁止する法案を可決した。与党であるキリスト教民主同盟 CDU と自由民主党 FDP の議員のほか、社会民主党 SPD の大半の議員も法案に賛成したが、緑の党は反対した。(2003929日と113日の主要ニュースを参照)

 同法によると、学校の中立と平和を妨げる危険性のあるすべての政治的・宗教的・世界観的表明が禁止される。但し、修道女の修道服のようなキリスト教的、ヨーロッパ的な教育・文化価値ないし伝統の表現は従来通り認められる。このスカーフ禁止の法律は4月半ばに発効する。今のところ、3人のイスラム教徒の教師に適用される予定といわれる。

シャヴァン文化相は、「スカーフはその多義性とそれに伴う政治的意味ゆえに、学校には適さない」と語った。スカーフは宗教的 象徴だけでなく、政治的象徴でもあり、女性抑圧とイスラム原理主義の象徴であるという。また、この法律は、キリスト教的な教育・文化価値という州法の教育使命と一致していると強調した。シャヴァン文化相は、スカーフ禁止は法的な新領域を開いたので、連邦憲法裁判所で審査されることになると見ている。

 法案に反対した緑の党は、この法律は宗教を平等に扱っていないので、憲法に違反しているか、あるいは世俗主義的で、立法者の本来の意思に反していると批判した。スカーフ着用を禁止するのであれば、すべての宗教的象徴を禁止すべきだと主張している。

 バイエルン州、ヘッセン州、ニーダーザクセン州、ザールランド州も同じような法律制定を計画している。それに対して、ベルリン州政府(社会民主党 SPD と民主社会党 PDS の連立政権)は公共施設におけるすべての宗教的象徴を禁止する法案を決定した。それによると、裁判所、刑務所、警察署、公立学校で働く公務員と職員は、宗教的ないし世界観的象徴の着用を禁止される。例外は幼稚園、職業学校、成人教育学校、大学。FDP と緑の党、トルコ人団体はこの決定を歓迎しているが、CDU は反対している。

200445日)

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