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5月の消費者物価、大幅上昇

   連邦統計局によると、ドイツの5月の消費者物価は、急騰する暖房用石油とガソリン価格を要因として、前年比2,1%上昇した。これは2002年1月以来最高の水準である。4月のインフレ率は1,6%、3月は1,1%だった。また、ユーロ圏のインフレ率も3月の1,7%、4月の2%から 5月は2,5%に上昇した。

州別に見ると、バーデン・ヴュルテンベルク州のインフレ率が2,3%、バイエルン州とブランデンブルク州が2,2%、ノルドライン・ヴェストファーレン州、ヘッセン州、ザクセン州が1,9%であった。

 統計専門家は、力強い物価上昇はここ3ヶ月間の石油価格急騰に起因していると見ている。ノルドライン・ヴェストファーレン州では、暖房用石油価格が20,8%、ガソリン価格が12,6%ほど高くなった。保健改革とタバコ税引き上げも物価上昇に寄与している。それに対して、安くなったのは果物と野菜。国内景気が弱いために、消費者価格は安定している。輸入価格は前年比0,4%上昇した。これは2001年7月以来の最高水準である。

 アナリストはインフレ不安を警告している。エネルギー価格と保健改革、タバコ税引き上げを除くと、物価上昇は極めてなだらかであるという。但し、これは弱い国内景気の兆候でもある。消費者の消費控えが目立っており、企業には値上げする余地がない。

 一方、4月に多少楽観的になった消費者は5月に再び悲観的傾向にある。消費者研究所(GfK)の5月のアンケート調査結果によると、6月の消費環境指数(個人消費見通し)は4,5ポイントに低下した。4月に調査した5月の消費環境指数は4,7ポイントであった。専門家は、石油とガソリンの値上がりが消費環境を圧迫していると見ている。

20045月31日)

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