ドイツのニュース

連邦参議院、高齢者所得法案を可決

   連邦参議院は6月11日(金)、高齢者所得法案を可決した。11日の朝、キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)の州首相とメルケル党首が会合した後、シュトイバーCSU党首がCDU/CSUの州は連邦参議院で同法案に反対すると語ったことから、連邦参議院が同法案を否決するものと見られていた。ところが、採決の時点で、急遽、ハンブルク州とザクセン州、ラインランド・プファルツ州(SPDとFDPの州で、棄権を表明していた)が賛成したため、法案が成立した。高齢者所得法は2005年1月1日に発効する。(2004年5月3日と5月31日のニュースを参照)

 ザクセン州のミルブラント州首相は、今年中に連邦憲法裁判所の判決(年金課税で公務員と被雇用者を平等に扱わなければならない)を立法化しなければならないので、これ以上の駆け引きは無意味だと語った。CDU/CSUは、同法の修正は2006年の政権交代後に行う意向であることを明らかにした。CDU党内ではシュトイバーCSU党首の独走を批判する声が聞かれる。

 一方、連邦参議院は職業訓練公課法案を否決して、両院協議会の招集を要求した。社会民主党(SPD)の州も反対した。同法の成立に反対するクレメント経済相は職業訓練生の職場を創出するコンセプト(経済界は、来年3万人の職場を創出すること、問題のある若者には1年間の実習(2万~3万人の職場)を提供することを自主的に義務付ける)について経済界と交渉中で、SPD内でも同法案の成立はないという見方が大半になっている。クレメント経済相と経済界が合意に至れば、同法案は両院協議会で棚上げになる見通しである。(2004年5月10日のニュースを参照)

 連邦参議院はさらに、アルコポプス特別税法案と不正労働取り締まり法案を否決して、両院協議会の招集を求めた。排出権取引大綱法案は可決した。但し、排出権取引の規則(排出権割り当て計画など)に関する法律については、さらに交渉しなければならない。(2004年5月10日のニュースを参照)

2004年6月14日)

戻る