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管理職に占める女性の割合が少ない

   ホッペンシュテット出版社の調査結果によると、ドイツでは、人事責任のある地位にある管理職に占める女性の割合が10%弱である。中級管理職では女性の割合が13%、上級管理職では8%。1980年代中頃(約5%)に比べて、それほど大きな改善は見られない。外国企業の方が女性の役員が多い。

 ドイツ経済研究所(DIW)によると、比較的若い年齢層では、管理職に占める女性の割合が上昇しており、他の国に匹敵する水準になっている。例えば、ダイムラー・クライスラーでは、管理職に占める女性の割合が昨年5,4%から5,8%に上昇した。ドイツのヒューレット・パッカード社では、人事責任のある地位の管理職に占める女性の割合は15,6%で、2005年10月末には18%を目指している。

 ドイツ・ヒューレット・パッカード社のシュタヘルハウス社長(女性)は、子育て問題が女性の昇進の最大の障害の一つだと指摘している。フランスや英国に比べて、ドイツでは子育てと仕事の両立が難しい環境にある。また、企業内でも典型的な男性優先の傾向が強い。それに対して、米国企業の方がオープンで、不利な立場にあるグループを支援する伝統があるという。

 ドイツ経済研究所によると、女性の昇進では中小企業が出遅れているが、最近では女性を支援するプログラムが実施されている。例えば、パートタイムや在宅勤務の提供、フレキシブルな労働時間、保育施設、女子大生のための奨学金、定期的なトレーニングなど。

 ビショフ経営学部教授は、女性に対する偏見だけでなく、女性自身にも大きな昇進を妨げる問題があることを指摘している。例えば、エンジニア、自然科学、経済学部出身の大卒者が管理職の約80%を占めているにもかかわらず、これらの専門学科を選ぶ女生徒が少ないという。また、大きな昇進への関心が全体的に低下する傾向にあり、パートタイム勤務の優先を望む女性が多い。これは、役員になる昇進競争から自ら退くことを意味しているという。

2004年7月26日)

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