ドイツのニュース

失業手当 II の代わりに Ich-AG

    今年1月1日に導入された失業手当 II の代わりに Ich-AG を設立して補助金を受給する長期失業者が多い。昨年12月は約25600人がIch-AGを設立した。これは前年同月比 267%増に相当する。特に長期失業者の多い旧東独で急増している。旧東独では2003年12月に2300人がIch-AGを設立したが、2004年12月は14400人であった。1月のIch-AG設立者は前年同月比85%増の3万人弱。

 多くの失業者支援団体が長期失業者にIch-AG設立を勧めていることがIch-AG急増の背景にある。失業手当 II が月額345ユーロ(旧東独は311ユーロ)+家賃+暖房費であるのに対して、Ich-AGの補助金は初年度が600ユーロ、2年目が360ユーロ、3年目が240ユーロである。Ich-AG設立者は貧困と認定されれば、失業手当 II も申請できる。

 Ich-AGブームは連邦雇用エージェンシーの大きな負担になっており、2004年の補助金総額は約9億8000万ユーロに達した。本来は5億ユーロが見込まれていた。昨年11月に導入されたビジネスプラン提出義務もIch-AGブームにブレーキをかける効果がなかったようだ。

 Ich-AG設立者が増える一方で、Ich-AGから撤退する人も増えている。Ich-AG 導入以来、30万人がIch-AGを設立したが、その内の20%は廃業している。廃業した人の中には、就職先を見つけた人、年収25000ユーロの上限を超えるほどに成功した人、あるいは次の年度の申請を忘れた人も含まれているという。

2005年2月14日)

戻る