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労働時間、再び長くなる

 連邦統計局の発表によると、ドイツの就業者の労働時間は2004年3月、平均で週当たり36時間であった。パートタイムの増加にもかかわらず、前年よりも12分長い。週当たり労働時間は男性就業者で18分ほど長くなり、女性ではほとんど変わらなかった。ドイツ統一以来続いていた労働時間短縮傾向が止まったことになる。また、パートタイムの増加(特に女性のパートタイム)と労働時間のフレキシブル化が顕著になっている。

 旧西独の男性の週当たり労働時間は2003年5月の平均40時間から2004年3月は40,3時間に、旧東独の男性の場合は39,8時間から40,1時間に長くなった。女性は前年と変わらず、旧西独が29,8時間、旧東独が35時間であった。但し、特に女性の場合はパートタイムが多いため、フルタイム就業者の週当たり労働時間はこれよりも大幅に長くなるという。女性就業者に占めるパートタイムの割合は1991年の30%から2004年は42%に上昇した。男性は6%。パートタイム就業者の割合は約25%で、全部で720万人がパートタイムに従事している。10年前は16%であった。

 アンケート調査では、育児が女性の就業の障害になっていることが分かる30~44歳の就業者層では、子供のいない女性の59%が比較的高いポジションに就いているが(子供のいない男性では51%)、子供のいる女性では44%に過ぎない(子供のいる男性では47%)。育児が女性の昇進の大きな障害になっているが、男性の昇進の障害にはなっていないことが明らかである。連邦統計局のハーレン局長は、「職業における男女平等は決して達成されているとは言えない」と語った。管理職に就いている女性は12%に過ぎないのに対して、男性は21%である。母親と父親だけを比較すると、10%と24%と、男女差がさらに大きくなる。

 厳しい雇用市場を背景として、就業者の移動性も高まっている。通勤距離が25km以上の就業者の割合は1996年の14%から17%に上昇した。通勤距離が10km以下の就業者は全体の約半分に減少した。通勤手段では車が68%を占め、1996年よりも3%増えた。「所得が高くなればなるほど、通勤距離も長くなり、車の通勤が増える」という。また、通常の労働時間外に従事する就業者も増加している。2004年は週末や夜間、シフト制で働いている就業者が1991年よりも160万人ほど増えた。2004年3月に男性就業者の53%、女性就業者の43%が通常の労働時間以外の時間に従事していた。

 連邦統計局は2004年3月に39万世帯の83万人を対象にアンケート調査した。これは人口の1%に相当する。ドイツでは、3570万人(就業可能な人の64%)が仕事に従事している。今後、労働時間はさらに長くなると予想される。

2005年4月5日)

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