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12月の失業者増加幅、例年を下回る

 連邦雇用庁が1月3日(火)に発表したところによると、12月の失業者数は11月より75000人増えて4606000人になった。1年前より142000人多い。12月の増加幅としては1990年以来最低である。2004年12月は207000人増だった。失業率は0,2ポイント上昇して11,1%。季節調整済み失業者数は110000人減少した。

 旧西独の失業者数は3120000人(失業率9,5%)、旧東独は1486000人(17,3%)。失業手当 II 受給者数は4956000人、55歳以上の失業者数は前年同月比12,5%増の566000人、25歳以下の失業者数は2,3%増の525000人。求人は74,9%増の394000人。就業者数は0,5%減の39147000人。

 連邦雇用庁は、2005年下半期の景気回復が人員削減を停止させたことがポジティブな展開の要因の一つと見ている。特に建設会社の従業員数が人員削減で少なくなっているために、建設業の冬の解雇が65000件と、例年平均よりも約33%少なかった。1ユーロジョブのような雇用促進措置もポジティブに作用しているという。

 2005年平均の失業者数は4863000人で、失業率は前年比1,2ポイント上昇して11,7%だった。旧西独の失業者数が年平均で464000人増えた(17%増)のに対して、旧東独の増加は18000人に留まった(1%増)。失業率は旧西独が10%弱、旧東独が18,8%だった。2月には失業者数が500万人の大台を超え、2005年の雇用市場は1990年以来最悪の状況であったが、これはハルツ IV 効果(失業扶助と社会扶助の統合)に起因しているという。ハルツ IV 効果による失業者増加幅は約38万人と推定されている。

 連邦雇用庁のヴァイゼ長官は、「ここ2、3ヶ月の展開を見ると、2006年に確信を持てる」と楽観的な見方をしており、今冬は失業者数が500万人の大台を超えないと予想している。ミュンテフェリング労働相は、「正しい方向に発展しており、雇用市場改革の効果が出てきた」と述べた。

 それに対して、グロース経済相は、「景気回復傾向は見られるが、それが雇用市場にまで及ぶかどうかはまだ確実ではない」と、多少懐疑的に見ている。自由民主党のニーベル幹事長は過剰な楽観視を警告した。ドイツ労働組合連盟も「雇用市場には持続的回復の兆候が見られない」と慎重な見方をしている。

 一般的に、政治家も経済専門家も「雇用市場の転機」とは見ていないが、2006年は失業者数が減少すると予想している。連邦雇用庁は、2006年も雇用市場の抜本的な改善は期待できないとして、2006年の平均失業者数を460万~470万人と予測している。

2006年1月16日)

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