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連邦労働裁判所:出張のマイレージは会社に属する

 連邦労働裁判所は4月11日(火)、企業は従業員が出張で得たマイレージ特典をプライベートに利用することを禁じることができるとする判決を下した。従業員は会社の経費で、会社の依頼で旅行するので、例えばルフトハンザ航空会社の「マイル・アンド・モア」のようなマイレージ特典は会社に属する。従って、会社が禁止する場合は、従業員は出張のマイレージをプライベートに利用することはできない。

 ある会社が全従業員に対して、マイレージ特典のプライベート利用を禁じ、出張で集めたマイレージを毎月提示し、出張に利用するよう指示した。それに対して、出張で35万マイレージ(9700ユーロ相当)集めていた営業部長は、ルフトハンザは会社ではなく、乗客にマイレージ特典を与えているので、プライベートに利用できるとして、訴訟を起こしていた。

 不況の時代には、企業はコスト削減のために、出張によるマイレージ特典を出張に利用するよう従業員に求めてきた。経済的にもマイレージ特典の価値は大きくなっている。例えば、ルフトハンザは2005年にマイレージ特典のために約6億ユーロの引当金を計上している。また、議員のマイレージ特典のプライベート利用が政治問題になり、辞任した議員もいた。

 しかし、これまではマイレージ特典のプライベート利用に関する法的状況が不確実であっために、企業は明確な規則を作れなかったが、今回の判決により、企業はマイレージ特典の利用に関する明確な規則を従業員に提示することができる。但し、個々のケースでは、雇用契約に明記しなければならない。

 連邦労働裁判所の決定後、ルフトハンザは従来のマイレージ特典サービスを変更しないことを明らかにした。マイレージ特典のプライベート利用を禁止するか否かは企業が自由に決定できることであるとしている。

2006年4月25日)

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