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EU国別肥満ランキングでドイツが1位

    ここ数年、EU国別肥満ランキング(IASO調査、BMI 25 kg/㎡)でドイツの順位は上昇する傾向にあったが、ついに2007年は男女共に不名誉な1位になった。ドイツでは、成人男性の75,4%、成人女性の58,9%が「太りすぎ( BMI25以上:Übergewicht)」ないし「肥満症( BMI30以上:Adipositas: krankhafte Fettleibigkeit)」である。国際比較ではドイツは米国と並んだ。

 ドイツでは、「太りすぎ」は男性が52,9%、女性が35,6%で、共に1位。「肥満症」は男性が22,5%で6位、女性が23,3%で4位だった。

 EU国別肥満ランキングによると、男性では2位がチェコ(73,2%)、3位がギリシャ(73,0%)、4位がキプロス(72,6%)、20位がオランダ(53,9%)、22位がイタリア(51,4%)、24位がフランス(47,4%)だった。

 女性では、2位が英国(58,5%)、3位がキプロス(58,0%)、4位がチェコ(57,6%)、5位がオーストリア(53,2%)、21位がオランダ(38,6%)、24位がフランス(36,3%)、25位がイタリア(34,5%)。

  IASO(International Association for the Study of Obesity)によると、肥満は世界的な流行病になっており、危険な限度に達しているという。また、ドイツは疾病保険制度における大きな負担を覚悟しなければならないとしている。

  世界保健機構(WHO)のブランカ氏によると、ドイツ人はエネルギー需要の35%までを脂肪で補っているが、最高30%までに抑えることが望ましいという。また、ドイツ人の60%は運動不足である。ビール消費量も肥満の要因で、ドイツ人とチェコ人のビール消費量が多い。さらに、社会的要素の影響も大きく、教育水準の低い低所得者層における「太りすぎ」ないし「肥満症」が平均を上回っている。

  肥満は生活習慣病の主要リスク要因で、肥満を原因とする病気で発生するコストは喫煙を原因とする病気の場合とほぼ同水準に増加している。WHOは各政府に対して、脂肪や糖分の多い食品の宣伝を制限したり、安く利用できる運動施設を提供するなどの早急な対応策を求めている。

2007年4月30日)

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