ドイツのニュース

連邦議会、企業税改革法案を可決

  連邦議会は5月25日(金)、企業税改革法案を可決した。連邦参議院が夏休み前に同法案に同意するのは確実と見られている。同法は2008年に発効する。

 企業税改革法案によると、20081月1日から資本会社(株式会社、有限会社)の平均的税負担(法人税、営業税、連帯税)は現在の38,7%から29,8%に軽減される。法人税率は25%から15%に、営業税の被課税額算出指数は5,0%から3,5%に引き下げられる。

 また、2009年からは他の欧州諸国同様に、すべての個人資本収益に一律25%の資本収益税が課せられる。この税金は銀行から自動的に匿名で税務署に振り込まれる。その代わり、多くの優遇措置が廃止ないし削減される。

 例えば、貯蓄控除額が独身者の場合1370ユーロから750ユーロに、既婚者の場合2740ユーロから1500ユーロに引き下げられる。配当金は100%課税対象となる(現在は50%)。

 有価証券の売却利益も100%課税対象となる(現在は株主が株を1年以上保有すれば、売却益は非課税)。但し、この規定は2009年以降に購入した株に対して適用される。

 税負担が軽減される一方で、税制上の多くの抜け穴が埋められる。企業税改革による国の税収入減少分は290億ユーロ、税収入増加分は240億ユーロで、企業の税負担軽減は年間約50億ユーロと見積もられている。

 シュタインブリュック連邦財務相は、「企業税改革はドイツの将来への投資だ」と語った。ドイツにおける企業の税負担はEU比較で上位から中位に低下し、英国と同水準になる。相続税改革法案も今年中に連邦議会に提出する計画であるという。

 経済団体は企業税改革法案の詳細ではいくつかの問題点を指摘しているが、EUにおけるドイツの立地条件が改善することでは意見が一致している。

2007年5月30日)

戻る