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患者の権利について知らない人が多い

   

     ベルテルスマン財団が行った世論調査では、患者の権利について知らない人が多いことが明らかになった。患者の権利に関する情報が不十分である。

   回答者1800人のうち約61%の人は患者の主な権利を正確に把握していなかった。95%以上の人は医者を自由に選択できる権利を知っていたが、病院も自由に選択できることを知っている人は76%強に過ぎなかった。

   30%弱の人は、医者が患者本人の同意なしに家族に(患者に関する)情報を与えてはならないことを知らなかった。半分以上の人は、治療する医者が患者に真実を言わなければならないかどうか確かではなかった。40%以上の人は医者に安楽死を求めることができると考えている。

   また、患者の権利について十分な知識がないために、権利を行使した場合の不安を持っていることも明らかになった。10,2%の人は「患者の権利を行使すれば、医者の治療が悪くなる」と確信しており、38,7%の人は「医者の治療が悪くなる可能性がある」と考えていた。「何の不利にもならない」と回答した人は51,2%。30%の人は「医者に患者の権利を主張すれば、「知ったかぶりをする人」、「いつも文句ばかりつける人」とみられる」ことを恐れていた。60%以上の人は「医者が親切に治療しなくなることもあり得る」と考えている。

   健康な人よりも病気の人の方が「医者に苦情を言えば、治療が悪くなる」と考えている。また、法定疾病保険の被保険者の方が民間保険会社の被保険者よりも「知ったかぶりをする人」と思われることを恐れている。

   連邦政府は患者権利法の制定を計画しており、来年に審議、成立を予定している。様々な法律に規定されている患者の権利を一つの法律に統合するとともに、既存の権利を拡大することを目的としている。

2010年12月22日)

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