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連邦議会、奨学金引き上げと新しい奨学金プログラムを可決

   

    連邦議会は 618日(金)、第23連邦奨学金法改正法案と国内奨学金プログラム導入法案を可決した。両法案は連邦参議院の同意を必要とする。(2010年5月16日のニュースを参照)

   23連邦奨学金法改正法案によると、2010/2011年度冬学期から連邦奨学金(BAFöG)が 2%引き上げられる。最高額は月額 670ユーロになる(現在は 648ユーロ)。親の収入の控除額も 3%引き上げられる。また、連邦奨学金受給年齢の上限が今の 30歳から 35歳に引き上げられる。

   連邦政府は2013年までの追加コストを全部で 6億3500万ユーロと見積もっている。それに加えて、州は 5億2900万ユーロを負担しなければならない。

   一方、優秀な学生の支援を目的とする国内奨学金プログラム導入法案によると、特に優秀な学生には2010/2011年度冬学期から親の収入に関係なく、月額 300ユーロの奨学金が支給される。この奨学金は返済する必要がない。

   この奨学金の財源は半分が経済界(企業、財団、個人)からの寄付、半分が連邦と州からの補助金(半分ずつ)である。経済界からの寄付は各大学が調達しなければならない。

   野党は連邦奨学金引き上げに賛成しているが、引き上げ幅が十分でないと批判している。また、優秀な学生を対象とする国内奨学金プログラムは、特に高所得者の子供が恩恵を受けることになるので社会的不均衡を招くとして反対している。

   多くの州首相が財政難を理由に反対を表明しており、両法案の成立は不透明である。

2010年6月21日)

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