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EUにおける非嫡出子数、急増

   

    欧州連合(EU)の統計機関Eurostatによると、EU加盟国27カ国のうち5カ国(ブルガリア、エストニア、フランス、スウェーデン、スロベニア)では、非嫡出子数が嫡出子数を上回っている。非嫡出子の割合はEU平均が37,4%で、過去最高だった。

    非嫡出子の割合が最も高かったEU加盟国はエストニアで59,2%、最も低かった加盟国はギリシャで6,6%。

    ドイツは32,7%でEU平均を下回ったが、過去50年間で非嫡出子数が急増している。1960年は法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子供が約14人に1人だったが、2009年は3人に1人。1990年はドイツにおける非嫡出子の割合は15,3%、EU平均は17,4%だった。

    Eurostatによると、すべてのEU加盟国で非嫡出子の増加が見られる。2009年はEUにおける婚姻件数は住民1000人当たり4,9件。20年前は6,3件だった。ドイツは4,6件で、EU平均を下回った。50年前は9,5件。

    婚姻件数が最も少なかったのはスロベニア(3,2)、ブルガリア(3,4)、ルクセンブルク(3,5)、ハンガリー(3,7)、スペイン(3,8)、ポルトガル(3,8)。最も多かったのはキプロス(7,9)、ポーランド(6,6)、リトアニア(6,2)、デンマーク(6,0)、マルタ(5,7)。

    離婚率が最も高い国はベルギー(3,0)、チェコ(2,8)、リトアニア(2,8)、デンマーク(2,7)で、最も低い国はアイルランド(0,8)、イタリア(0,9)、スロベニア(1,1)、ギリシャ(1,2)。ドイツは2,3EU平均(2,1)を上回った。ドイツでは過去10年間で離婚率が僅かに低下している。2000年は2,4だった。

    非嫡出子の多い国では出生率もEU平均を上回っている。EU27カ国では2008年の出生率が1,56で、2003年の1,47から上昇した。非嫡出子の割合が45%以上の8カ国中6カ国では出生率がEU平均を上回っている。非嫡出子の割合が59,2%のエストニアでは出生率が1,65、ベルギー(45,7%)は1,82、デンマーク(46,8%)は1,89、英国(46,3%)は1,90、スウェーデン(54,4%)は1,91、フランス(52,9%)は1,99だった。

    専門家によると、これらの国々は社会の変遷に逸早く順応していることがポジティブな傾向の一因であるという。1960年以降、女性が社会進出し、出産年齢が高くなったため、子供の「適切な」保育と男女同権化が再び出生率の上昇をもたらすことができる。同時に、伝統的な婚姻に代わる新しい家族モデルが創出されている。

    20世紀には、国の生活水準が向上し豊かになればなるほど出生率が低下する傾向にあった。しかし、今は、豊かな生活水準が相応の保育プログラムを伴う国では出生率も上昇する傾向が見られる。その結果、EU内では特にスカンジナビア諸国、ベルギー、オランダ、フランス、英国の出生率が1,771,99に上昇した。

    大きな例外はドイツで、出生率は1994年の1,24から1,39に緩やかに上昇しているが、まだ極めて低水準である。

2012年2月22日)

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