オバサンの独り言

 

   日本では、「自民党大勝、民主党惨敗」の政権交代で2012年が終わろうとしている。

    ちょうど3年3ヶ月前、民主党は国民の期待を一身に受けて政権を握ったが、約束したマニフェストを実現できなかった。党内の内紛と迷走を続け、未熟なまま成長できなかった民主党政権に国民が失望し、見切りをつけた結果が今回の選挙だった。

    実験は失敗に終わった。民主党は見事に落第した。

    勝者と敗者が逆になったものの「地滑り的な勝利と歴史的な敗北」は3年3ヶ月前と同じだ。ただ、当時は有権者が積極的に勝者を決めたが、今回は積極的に敗者を決めたのである。期待が大きかっただけに、失望もまた大きかったのだ。

    民主党が華々しくマニフェストに掲げた脱・官僚依存政治、天下りの根絶、税金無駄遣いの一掃などの政策は中途半端に終わってしまったけれど、有権者は今も「行政刷新」への強い願望を持っている。財政・経済の再建だけでなく脱原発問題も一大関心事だ。

    選挙後、ドイツのメディアは日本の「右翼化」と原発再稼働への懸念を一斉に報じた。古い自民党政権に逆戻りすることを強く憂慮している。日本国民も同じ思いだろう。

    経済的にも政治的にも世界における日本の存在感は薄れるばかりである。ドイツでも日本の衰退を憂える論評が多くなっている。

    自民党が前回の大敗を教訓に、旧体制から脱皮したことを期待したい。もう20世紀の古い政治は通用しない。民主党の失敗のお蔭で有権者から与えられたチャンスを活かして、日本再建のために全力を尽くしてほしいと願う。

    民意と国益を見失うと、次の選挙で有権者の厳しい審判を受けることを肝に銘じてほしい。「今日は人の身、明日は我が身」である。

    一方、ドイツでは2013年が選挙の年だ。ニーダーザクセン州(1月20日)、バイエルン州、ヘッセン州で州議会選挙があるほか、9月には総選挙がある。

    これからは難しい政策は先延ばしされ、選挙を意識したばらまきが始まって、政治家の大衆迎合的な人気取り発言が続出することだろう。選挙の年は政治家が政策ではなく、政略に走るから嘆かわしい。何処も同じである。

    メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)とキリスト教社会同盟(CSU)が第一党を守れるのか、どんな組み合わせの連立政権になるのか・・・。来年は選挙一色の年になりそうだ。

    では、皆様、楽しいクリスマスと良いお年をお迎えください。

    2013年が日本再生の年になりますように。

 2012年12月21日)

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