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年金生活者の4分の1は働いている

   

    連邦内務省の委託で連邦人口動向研究所が行った調査結果(5000人のアンケート調査)では、定年退職後も就業する人が増えていることが明らかになった。

    55歳〜70歳の年齢層の二人に一人は就業している。年金生活者では、70歳までの人のほぼ4分の1が仕事をしている。以前に比べて著しい増加である。この年齢層の39%は「定年退職後ももう一度仕事に従事することを考えられる」と回答している。

    定年退職後も就業する理由としては、経済的理由だけをあげた人は4%に過ぎなかった。半分以上の人は、仕事の喜び、精神的能力の維持、他の人達との交流など、非経済的な動機をあげている。ほぼ70%の人は知識と経験を次の世代に伝えることを理由としてあげた。

    連邦内務大臣は、職業生活と年金生活が明確に分離することなく、流れるように移行していることをポジティブに評価している。この活動的かつ楽観的な世代がもっとボランティア活動に参加することを期待しているという。年金生活でも多くのお金を消費し、積極的に生活しているが、ボランティアに参加する人は少ない。この人たちがエネルギーの3分の1をボランティア活動に注げば社会に極めてポジティブな影響を及ぼすと見ている。アンケート調査では、回答者のほぼ60%が「将来、市民活動に参加することを考えられる」と回答している。

    同研究所の専門家によると、現代人は昔の人に比べて長生きするだけでなく、健康であるという。教育水準も高くなっており、経済的にも改善している。寿命が長くなっているが、それは人生最後の時期ではなく、人生半ばの時期が長くなっているのだという。教育期/生産期/年金生活期という従来の人生の分け方は解消する傾向にあると指摘している。

2015127日)

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