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クオータ制導入法、成立
連邦参議院は3月27日(金)、クオータ制導入法案を可決した。その結果、クオータ制導入法が成立した。
すでに連邦議会は3月6日(金)にクオータ制導入法案を可決していた。反対票はなかったが、緑の党と左翼党は「正しい方向性ではあるが、まだ十分でない」として、棄権した。キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)の議員の3分の2以上が欠席した。
クオータ制導入法の要旨は次の通りである。
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大手株式会社の監査役会は2016年1月1日から女性の比率を最低30%にしなければならない。対象になる企業は上場企業かつ完全なる共同決定義務のある企業(従業員2000人以上)で、108社。
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女性比率30%以上の規定は原則として、一つの機関としての監査役会全体に適用される。但し、監査役選出前に、使用者側か被用者側のどちらかが監査役会全体としての規定適用に異議を唱えることができ、その場合には、どちら側にもそれぞれ別個に30%以上の規定が適用される。
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最低比率が満たされなかった場合は、クオータ制に反する選出は無効とする。女性が十分に選出されなかった場合には、空席のままとする。
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法定クオータ制は2016年の監査役選出から適用される。
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さらなる約3500社は2015年から、監査役会、取締役会、上級と中級の管理職レベルにおける女性比率拡大に関する拘束力のある目標値を設定することを義務付けられる。また、設定した比率と達成期限を発表し、定期的にその結果と具体的な措置を報告しなければならない。対象になる企業は、上場しているか、あるいは共同決定義務のある企業(従業員500人以上)である。
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女性比率の最低目標値は法律で規定しない。但し、現在の女性比率が30%以下の場合は、目標値はそれを下回ってはならない。2015年9月30日までに設定しなければならない最初の目標値の達成期限は遅くとも2017年6月30日までとする。次の目標値の達成期限は遅くとも5年以内とする。目標値を達成できなかった場合、法的制裁はない。
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クオータ制規定は連邦が資本参加している企業と連邦行政にも適用される。連邦行政(官庁)は各管理職レベルにおける具体的な目標値を設定することを義務付けられる。また、連邦が委員の選出を決定できる委員会においては男女同数とすることを目標とする。連邦が3人以上の監査役を出している監査役会においては、2016年から連邦の監査役に最低30%の女性比率が適用され、2018年からは50%に引き上げることを目標とする。
シュヴェーズィヒ連邦家庭大臣は「歴史的な日だ」と語った。法定クオータ制の導入は男女機会均等への重要な第一歩だという。マース連邦法務大臣は「1918年の女性参政権導入に匹敵する、男女平等に貢献する法律だ」と語った。
2014年末現在、ドイツの大企業200社の監査役会における女性の割合は18,4%で、取締役会に占める女性の割合は5,4%である。
(2015年4月21日)
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